あつ森でデータセンター運用を学ぶ【特集】
ケーブリング作業
各ラックに提供される電源やネットワークは、ケーブルを介して提供されます。これらのケーブルを引き回す作業をケーブリング工事と呼びます。このような工事は通常はラック導入初期のみに行われ、一旦運用に入ると基本変更されませんが、ラック増設などがあった際に合わせて増設されるケースもあります。
フリーアクセス(通称フリアク)フロアを採用している場合、ケーブルは空洞になっている床下を通すことになりますが、その場合、「サッカー(Sucker)」と呼ばれる吸盤工具を使いフロアタイルを外してから作業することになります。
さて、電源については、分電盤から分岐されたPDP(Power Distribution Panel)経由で、各ラックの床下部に置かれるコンセントボックスまで配線されます。
各サーバーラックへのネットワーク配線については、HDA(Horizontal Distribution Area )と呼ばれるネットワークラックからパッチパネルを介して分配されます。
尚、電源とネットワーク(LAN)ケーブルはお互いノイズ干渉が起きる為、配線ルートは分離されたりします。
データセンターでは機器の追加や撤去などが日々行われます。それに応じてケーブル配線の変更も必要になってきます。あるいは新規テナントの入居時などは大量の機器の導入に伴い、大量のケーブリング作業が必要になることもあります。
しかし、大量のケーブリング作業と言っても、床下やラック上のラダーで長いケーブルを引き回すわけではありません。
ANSI/TIA-568で定義されている構造化配線(Structured Cabling)標準に準拠し構築されたケーブリング環境では、機器の移設・導入・撤去時の変更に対し、パッチパネルと呼ばれる「ネットワークの物理中継器」のポートをネットワークケーブル(=パッチケーブル)で繋いだり、切り替えるだけで迅速に各ラックへの配線を完了させる事ができます。
ケーブリングチームは、パッチパネルポートやスイッチポートへの接続・抜去指示が記載された「パッチリクエスト」と呼ばれる指示書に従い、ケーブリング作業を行います。
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