エクイニクス、2030年までに排出量の50%削減、再エネ100%を公約

エクイニクスは、カーボンニュートラルの達成に向けた目標を設定しました。これは、Greenpeaceが同社に対し再生可能エネルギー利用に関する「信頼できるタイムライン」の設定がないと批判した数日後のことです。

世界最大のリテール・コロケーション・プロバイダーであるエクイニクスは、2030年までに自社の排出量および電力供給による排出量を50%削減することを約束しました。そのためには、2030年までの再生可能エネルギー100%化を目指すとしています。これは同社が2015年に「RE100」に参加した際の公約を果たす形となります。

改善の余地

厳密には、エクイニクスはすでに2030年までの再生可能エネルギー100%利用を公約しています。これは、エクイニクスを含むヨーロッパのプロバイダーが2030年までのカーボンニュートラル化を約束した「Climate Neutral Data Center Pact」の一環として行われています。

自然エネルギーへの移行に加えて、エクイニクスはエネルギー効率の向上を推進し、冷媒損失を削減し、地球温暖化係数(GWP)の高い冷媒を段階的に廃止していきます。また、バックアップ用ディーゼル発電機の交換の検討も進めています。

エクイニクスは、これはデータセンター業界初の試みであると主張していますが、2020年に2030年までに排出量を66%削減すると既に公約している競合のデジタルリアルティは、我々のほうが先行していると主張するかもしれません。両社の目標には、スコープ1(自社の排出量)とスコープ2(自社で使用する電力の生成時に発生する排出量)が含まれています。尚、デジタルリアルティは2018年を基準とし、エクイニクスは2019年を基準としています。

さらに重要な点として、デジタルリアルティは、より厄介なスコープ3の排出量の削減にも公約をしています。これには、データセンター建設時に使用されるコンクリートなどの主要な排出源が含まれます。デジタルリアルティは、2030年までにスコープ3(サードパーティ)排出量を24%削減するとしています。

エクイニクスは、すべてのスコープ3排出量に関するグローバル目標を設定していませんが、この問題への取り組みは進めています。同社は、スコープ3(サプライチェーン)の排出量の66%を占めるサプライヤーに対し、2025年までに科学的根拠に基づく独自の目標設定を定めることを要求します。また、サイトに電力を供給する燃料・エネルギー関連活動(FERA)にも取り組み、2030年までにこれらのスコープ3排出量を50%削減していくことを約束しています。

エクイニクスがグローバルなスコープ3目標を設定しないのは、哲学的な理由があるのかもしれません。2021年1月のインタビューで、ウィンターソン氏はDCDに対し、「ヨーロッパが達成を目指しているように、すべての人がスコープ1と2の排出量をゼロにするのであれば、スコープ3の削減は必要ないかもしれない」と語っていました。「哲学的には、完全にクライメイトニュートラルな大陸であれば、スコープ3は問題にならないはず。もし私がコンクリートを買ったら、それはすでに気候変動に影響されないはず。スコープ3は消滅すべきだ」

エクイニクスの目標は、Science-Based Target initiative(SBTi)によって承認されており、そして、2018年から2020年までに再生可能エネルギーを90%にするという目標を掲げています。

エクイニクスはグリーンファイナンスにも取り組んでおり、グリーンビルディング、再生可能エネルギー、エネルギー・水効率、廃棄物、クリーンな輸送など、環境的に持続可能なプロジェクトに向けて37億ドルのグリーンボンドを発行しています。また2020年には、Energy Efficiency Center of Excellence (EE CoE) に1,400万ドルを投資しています。

更にエクイニクスは、Renewable Energy Buyers Alliance(REBA)の創設メンバーでもあります。

Data Center Dynamics

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